火災時に煙が広がるスピードは?対処方法を煙の色別に解説
火災に巻き込まれた際には、炎にはもちろんですが、煙にも気を付けなければならないと聞いたことがありますか?煙が恐ろしいことを知っていても、煙の性質を知ったうえで正しく行動できる人は少ないのではないでしょうか。
この記事では火災時における煙の動きや煙が広がるスピードについて解説します。煙から身を守るための方法もご紹介するので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
この記事を読むための時間:3分
火災時には煙にも要注意
火災時の生存率を上げるためには、煙に巻き込まれないように避難することが非常に大切です。火災で発生した煙は、呼吸困難や意識消失を引き起こす、一酸化炭素などの有毒ガスを含んでいます。また煙は高温であることが多いため、そのまま吸い込んでしまうと気道や肺をヤケドしてしまいます。
煙から身を守るための方法
煙は空気よりも軽いため、天井付近に溜まりやすい性質があります。そのため煙から身を守るためには、低い姿勢を保って素早く移動しましょう。マスクやハンカチ、タオルなどを使用し、鼻と口を覆うのも効果的です。また、大声を出したり悲鳴をあげたりすると、煙をたくさん吸い込んでしまいます。できるだけ会話なども控えて、必要最小限の呼吸で移動してください。
煙が広がるスピード
火災の煙が広がるスピードは、どのくらいの速さなのでしょうか?具体的な数値を見ていきましょう。
煙の上昇速度
火災で起きた煙は熱されることによって空気より軽くなるため、ぐんぐんと上昇していきます。特に吹き抜けの場所や階段では、煙がスムーズに上昇しやすく動きが非常に速いため、人の足では逃げきれません。場所や風向きにもよりますが、煙の上昇速度は毎秒およそ3m〜5m程度だとされています。
水平方向へ広がる速度
煙が上昇して天井に突き当たると、次は水平方向に広がっていきます。このときの煙が広がるスピードは、毎秒およそ0.5m〜1m程度だといわれており、これは人が歩く速度とほとんど変わりません。
煙に巻かれてしまう理由は?
速いスピードで広がった煙は火の元から距離が遠くなるにつれて徐々に下がっていき、避難者の視界を塞ぐようになります。また煙の色も白から黄色へと変わり、最終的には黒煙に変化するため、避難者は周りがほとんど見えません。
ただでさえ恐ろしい思いをしているときに視界や方向感覚を失ってしまうと、誰でもパニックになってしまうものです。煙に巻かれてしまうと、避難に時間がかかってしまうため注意しましょう。
火災時にはフラッシュオーバーに要注意
火災時には、フラッシュオーバーに注意しましょう。フラッシュオーバーとは、火災の状態がある瞬間を境に急激に激しくなることです。最初は部分的に小さく燃えていた炎が、突然大きくなって急速に燃え広がり、部屋全体があっという間に炎に包まれてしまうことがあります。
このフラッシュオーバーをきっかけに、黒煙が発生するのですが、視界を奪うだけではなく有毒ガスの一種である一酸化炭素が含まれているため、吸い込むと非常に危険です。天井に炎が届くことが、フラッシュオーバーの前触れとされているため、巻き込まれる前に、できるだけ早く避難しましょう。
避難する際には落ち着くことが大切
火災に持ち込まれてしまい、パニックになってしまうのは仕方がないことですが、慌てていると正常な判断ができずに生存率も下がってしまいます。いざ火災が起きても慌てないためには、常日頃から火災が起きた場合の動き方をシミュレーションしたり、火災に関する十分な知識を身に付け備えておいたりすることが大切です。普段から避難経路を確認しておき、火災警報器などの設備もチェックしておきましょう。
また避難時に慌ててしまうのが、防火シャッターや防火扉が閉まっていて逃げられなかった場合です。防火シャッターや防火扉が閉まった場合にも、その出口に代わるくぐり戸と呼ばれる非常扉が必ず用意されています。防火シャッターや防火扉の近くにある場合が多いので、慌てずに探してください。見つからない場合には緑に光った非常口のマークを探しましょう。
まとめ
今回は、火災時に煙が広がる速度や煙がどのような動きをするかについて解説しました。火災の煙には、一酸化炭素中毒などの有毒ガスが多く含まれているため、吸い込むと体が動かなくなってしまったり、意識を失ってしまったりして避難できなくなります。
恐ろしい煙から身を守るためには、煙に対する十分な知識をつけておくことが大切です。避難経路や、避難時の注意点を普段から確認しておき、いざというときに慌てないようにしっかりと備えておきましょう。
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