消防設備工事の種類と費用相場は?費用を抑えるポイントまで解説
建物の火災リスクを最小にし、人々の安全を確保するためには、消防設備工事が不可欠です。消防設備は、火災の予防や人命救助などに関わる上、法令や規則への適合も求められます。そのため、建物に適した消防設備工事が必要です。この記事では、消防設備工事の種類と費用相場、費用を抑えるポイントまでを解説します。
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消防設備工事の重要性
消防設備の設置は、消防法や建築基準法などによって法的に義務付けられています。消防設備工事は建物の建築時に行われることが基本です。定期点検の結果などにより、修繕や交換が必要な場合はその都度工事が行われます。消防設備の設置が重要な理由は主に次の4つです。
- 火災の予防と安全確保
- 避難や救助の支援
- 法的な義務
- 建物の価値の確保
消防設備工事は、建物を安全に保有、管理する上では欠かせません。
消防設備工事の費用相場
消防設備工事の内容はさまざまです。消火器設置やスプリンクラー設備工事などの身近なものから、協同住宅防災システムなど大がかりなものまであります。消防設備工事は、建物の建築前から計画されているもので、その計画は消防法や地域の条例に沿って計画しなければなりません。
消火器設置
消火器を設置するための工事は、ただ消火器を置くだけではありません。消火器の場所を示す標識や、消火器を取り付けるためのフックなどの設置も必要です。消火器の種類や用途によって費用は異なりますが、1本あたり5,000~15,000円、大型のものだと5万円ほどかかるものもあります。
自動火災報知機設備
自動火災報知機設備工事といってもさまざまな種類があります。感知器の設置から、配線の埋め込み等、大がかりな工事です。大型の建物になるほど費用はかかります。10万円程度の費用から、大型の建物となると100万円以上の費用が相場です。
協同住宅防災システム
設備の内容は建物の大きさによって異なり、延床面積によって消防法などで必要な設備の設置が義務付けられています。費用相場は10万~30万円ですが、建物が大きくなればさらに費用がかかります。
非常警報設備
非常警報設備は、火災が発生した際に警報するシステムです。非常ベルや自動式サイレンまたは放送設備などがあります。費用相場は3万~6万円です。
スプリンクラー設備
火災発生時に自動散水するスプリンクラーを設置するには、天井裏に配管を設置する必要があるため、大がかりな工事が必要です。また、建物の大きさや用途によって設置するスプリンクラーの数や配管が変わるので、費用もそれにともなって変わります。費用相場は、20万~100万円以上と幅広いです。
誘導灯設置
避難口誘導灯や通路誘導灯を設置する工事です。避難口誘導灯と通路誘導灯は、表示面の明るさや大きさの違いがあり、建物の規模と用途に応じて消防法で設置方法が定められています。3万~12万円が費用相場です。
避難器具の設置
避難器具もさまざまなものがあり、避難はしごや緩降機などを設置する工事があります。建物によって必要な器具の設置が異なり、消防法の基準に沿って設置することが必要です。器具によって費用相場は異なり、5万~30万円と幅広くなっています。
消防設備工事の流れ
消防設備工事は、基本的には次のような流れで行われます。
- 消防設備業者への問い合わせ
- 現地調査の実施(業者)
- 見積等による検討
- 契約・打ち合わせ
- 所轄消防署への確認・報告(業者)
- 消防設備工事の着工(業者)
- 所轄消防署への報告・届け出(業者)
- 消防検査
- 引き渡し・支払い
消防設備工事の費用を抑えるポイント
消防設備工事は、建物の規模や用途によって多大な費用がかかるものです。消防法などに定められた基準を守りながらも、費用を抑えることもできます。
補助金を申請する
建物の規模や用途によって受け取れる「防災・省エネまちづくり緊急促進事業補助金」などの補助金があります。受け取れる条件などの詳細は、各自治体や国の機関に問い合わせてください。
消防設備専門の業者に見積りをとる
消防設備にはさまざまなものがありますが、建物の規模や用途によって必要な設備は異なります。建物ごとに適切な設備を設置することで費用を抑えることが可能です。消防設備専門の業者に見積をとりましょう。
消防設備工事は信頼・実績のある業者へお願いしましょう
消防設備工事は消防法などで義務付けられているため、適切な工事を行わないといけません。また、消防設備工事を実施するには資格が必要です。信頼できる実績のある業者へお願いしましょう。